IE9ピン留め

1995年以後を読んで

本というより、フリーペーパー、新聞、雑誌のような感覚であっという間に読み終えた。普段の藤村氏のROUNDABOUT JOURNALのような編集の感じが組み込まれており、非常に読みやすかった。メディアを戦略的に、かつ積極的に活用する藤村氏ならではの本であると感じた。

若手世代の注目される32組の建築家を中心にインタビュー形式でのテキストの構成で、若手と言われる世代でもさらに、誕生年で編集されている。育った地域や学校、建築、社会への意識の方向性などそれぞれの人が持つ、独特の個性や問題意識を掘り出すべく、藤村氏が深層に迫る。新聞で、経済面、スポーツ面、国際面などと好きな順で読めるように、ページは早生まれ順になってはいるが、自分の興味、関心のあるテーマや、建築家を選択しながら読み進められる。32組という一見人数が多いと感じるが、内容は丁寧に深くまで展開されている。

設計もオープンプロセスで、メディアでもインタビューをすることで情報共有、オープンにしていく活動を続けている藤村氏の問題意識、興味は今後さらに様々な方向にベクトルを向けていくことだろう。それが、次世代の建築家が担う、建築、社会の問題を解決していくような重要な思考へとつながるからだ。

個人的には、自分がオランダに留学していたということもあり、重松象平氏のインタビューのレムの話やアメリカにおける建築組織とディベロッパーの話、作家性の話が興味深かった。また、中央アーキのランドスケープと建築、風景の内容は自分の考えと摺り合わせることができて面白かった。

色々な読み方ができる本であるが、自分としては社会を大きく意識して取り組む人達がいる一方で、非常に個人的な意識を軸として思考する人達という二分化する見方ができた。まだまだ様々な切り口で読めそうな一冊である。

by kazuhiro_sobue | 2009-02-21 18:55

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